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【輸出貨物の梱包】様々な梱包方法と特徴をご紹介します! 

 
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当社、丸一海運株式会社は、江戸時代1751年創業の港湾運送業から始まった由緒ある会社です。日本のみならず世界にむけた物流・海運のプロフェッショナルとして、お役に立てる情報を提供いたします!

貨物を輸送する際には、内容物に応じて適切な梱包を行う必要があります。飛散しやすい、においが強い、紫外線に弱い、衝撃に弱いなど、貨物の特性によって特別な梱包が必要な場合もあります。適切な梱包方法を選択することは、安全な輸送および貨物の保護の観点から非常に重要です。

今回は、様々な梱包方法とその特徴をご紹介いたします。 

様々な梱包方法と特徴

パレット梱包 

段ボールケース(カートン)・紙袋・ドラム等の個装された貨物をパレットに積み付ける梱包方法です。パレットに貨物を載せるだけでは荷崩れの恐れがあるため、ストレッチフィルム(ラップのようなもの)やPPバンド等で積み付けた貨物をパレットに固定するのが一般的です。 

強化ダンボール(トライウォール)梱包 

強化ダンボールで側面、天井を覆う梱包方法です。強化段ボールは軽量なので作業性が良いですが、水濡れに弱いため注意が必要です。※トライウォール:1952年アメリカのトライウォール社が開発したトライウォールパック(AAAの三層フルートされた段ボール)で世界登録商標されている。 

木製梱包

木製梱包は重量物の梱包に適しており、以下のような種類があります。

密閉梱包

すべての側面を木材で覆い、内容物を見えなくする梱包方法です。雨・埃や盗難など外的要因を防げるメリットはありますが、頑丈な分、梱包を開梱する作業に手間がかかるのがデメリットと言えます。 

すかし(クレート)梱包

木を格子状に組み合わせて囲う梱包方法です。隙間があり内容物が見える状態で、密閉梱包と比べると貨物の保護力が劣ることから、壊れにくい貨物に適しています。木材の使用量が少ない分、重量も軽くなり、密閉梱包よりも費用を抑えることができます。

スキッド梱包

製品の下に角材などで固定(下駄)した梱包で、製品には強化ダンボール梱包、木製梱包、バリア梱包等を施したりします。 

バリア梱包 

真空梱包とも言い、バリアメタルという湿気を通しにくい素材でくるみ、空気を吸いだし貨物を包む梱包方法です。これは製品に錆が発生するのを防ぐための内装包装で、湿気を嫌う貨物に最適です。バリア梱包した貨物は、木製梱包(密閉梱包、すかし梱包)等でさらに外装の梱包を行うのが一般的です。

スチールケース(クレート)梱包

 スチール製の箱・容器等で梱包する方法で、木製梱包と同様に重量物に適しています。強度が高く、梱包容積の削減が可能で、検疫処理が必要ないことから、近年注目され始めています。 

パレットにも色々な種類がある!

ひとえに「パレット」と言っても、実は色々な種類のパレットがあることをご存知でしょうか。ここでは、様々なパレットの種類とそれぞれの特徴をご紹介いたします。 

木製パレット

世界で最も広く使用されています。しかしながら、木材不足と価格不安定の傾向にあるという点が年々問題となってきています。利点として一般的に価格が安く、積荷が比較的すべらない、補修が簡単である、などが挙げられます。

なお、木製パレットに代表される梱包用の木材には病害虫が付着していることがあり、輸入国に病害をもたらす可能性があります。これを防止するため、以下のような消毒処理を施した木材で製造された木製パレットもあります。消毒処理の方法には「ISPM NO.15」と呼ばれる国際基準があり、梱包用の木材についてはこの基準に即した消毒、表示等を輸出国で行うことを求めている国も多く存在します。

熱処理パレット

加熱室に入れ、材芯温度を含む断面全体を摂氏56度以上で30分間以上加熱する方法(HT)で処理された木材で製造されたパレット。 

燻蒸パレット

温度別(木材・大気温度10℃以上)の最低CT値(薫蒸時間24時間以上、ガス濃度×時間の積)および24時間後の最低最終濃度が規定に沿って処理された木材で製造されたパレット。 

※ISPM NO.15の基準に従った消毒を求めている国に輸出する際には、消毒済みであることの証として、当該パレットについて国際基準に沿った下記の承認マークが付されている必要があります。

ISPM NO.15の承認マーク(画像引用元:よくある質問集FAQ:植物防疫所 (maff.go.jp) Q4より)

合板パレット

薄い板を複数枚張り合わせた「合板材」を使用して製造されたパレットです。合板パレットは、国際基準ISPM NO.15における規制の対象外となっており、「熱処理」「燻蒸処理」が不要であることが最大のメリットです。(「木材」ではなく「加工品」扱いになるようです。)

ただし、強度という点で通常の木製パレットよりも劣っているため、重量物を積載する際には避けた方が良いでしょう。

プラスチックパレット

着色が自由で、積荷を傷めることも少なく、耐水性に優れており、衛生的です。形も自在で軽量という長所もあります。ただし、破損した場合は再生が難しく、廃棄処分になるのが欠点です。

紙パレット(ファイバーボード製、段ボール製)

強度の面では他の材質よりも劣りますが、省資源の観点から開発が進んでいます。国際輸送においては、1回限りの輸送(ワンウェイ)に使用されるのが一般的です。 

金属パレット(鋼製、アルミ製)

強度の点、耐久性、造形の自在性などの点が優れていますが、欠点として比較的価格が高いことと、一般的に重量が重くなることが挙げられます。また補修が容易でなく、貨物の種類によってはすべり易いこともデメリットの一つと言えます。

梱包に伴う留意点

●梱包によっては、貨物の容積(M3)が想定よりも大きくなる場合があります。特に、いつもと違う梱包を施した際には、コンテナに収納できる個数が実績と異なる可能性がありますので注意が必要です。

●特殊な梱包や燻蒸処理には、時間を要します。梱包作業等にかかる日数を考慮し、余裕を持ったスケジュールで船積み日を決めておく必要があります。

●木材梱包材を使用する場合は、植物検疫措置に関する国際基準ISPM No.15「国際貿易における木材こん包材の規則」(「国際基準」)に即した消毒、表示等を輸出国で行うことを要求している国があります。(EU、米国、カナダ等80カ国以上)輸出相手国の規制を調べ、適切な梱包材を使用する必要があります。

     

まとめ

今回は、様々な梱包方法や梱包材についてご紹介いたしました。「梱包」と一言に言っても、貨物の特性や輸出相手国の規制、梱包にかかる費用や時間、また場合によっては納入先の要望なども考慮する必要があるため、それぞれの貨物にとってのベストな梱包を見つけ出すのは非常に難しいと言えます。

貨物の梱包のことや輸出入にかかわることで迷われた場合には、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。

 

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