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コンテナに収納できる危険物の組み合わせを解説

 
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当社、丸一海運株式会社は、江戸時代1751年創業の港湾運送業から始まった由緒ある会社です。日本のみならず世界にむけた物流・海運のプロフェッショナルとして、お役に立てる情報を提供いたします!

危険物を船で輸送する時は、積載方法・取り扱いなど「危険物船舶運送及び貯蔵規則」(以下危規則)に従って輸送することが定められています。

1つのコンテナへ複数の危険物を積載する場合は、危険物の組み合わせなどを考え、判断します。輸送する時に危険物同士で隔離が必要な理由や、組み合わせの判断の方法についても説明していきます。

1.  危険物の分類

海上輸送をする危険品はCLASS1~9に分類されます。数字によって危険性が高くなるわけではありません。

このように各CLASSによって異なるラベルが存在し、貨物を見るとどのCLASSに該当する危険物であるのか確認できます。

2.  危険品の種類によって分けて積載しなければならない理由

 危険物にはそれぞれ特性があり、混ざり合うことで危険な反応を起こすものもあります。

実際に、海上輸送中に船上で火事になったり、有毒なガスが発生したり、事故が多々起きています。危険物を輸送する時は、常に危険と隣り合わせなのです。そのため、正しい方法でコンテナへ積載し、輸送することが求められます。

また、危険物を輸送する時は危規則に基づいた隔離方法・積載方法を確認します。

3.  CLASS同士で隔離が必要なもの

 危険物をどのように隔離するのか…?

まず、危険物の等級同士で同一コンテナへ積載不可の危険物があります。

確認する方法は危規則に記載されている隔離表(別表第14)を参照します。

積載したい貨物の等級(CLASS)の交わるところを確認し、1~4の数字が記載されていれば同じコンテナへの積載は不可。×印であれば、その等級同士は同じコンテナへ積載可能と考えることができます。(下記:危規則第27条に規定)

【別表第14】(URL:00-1_本文_p.1-59_20231228 (mlit.go.jp) 517ページ 別表第14を参照)

備考 1 ×印は、隔離を要しないことを示す。

   2 一方の危険物が非開放型のコンテナ又は自動車に収納されている場合にあつては、

      表中の1及び2を、それぞれ、×印及び1と読み替えることとする。

   3 表中の1、2、3及び4は、それぞれ、次に掲げる隔離方法を示す。

1234
甲板上積載甲板上積載水平距離で3m以上離して積載すること。水平距離で6m以上離して積載すること。水平距離で12m以上離して積載すること。船の長さ方向に24m以上離して積載すること。
甲板下積載同一の船倉又は区画に積載することができる。 ただし、水平距離で3m以上 離すこと。別の船倉又は区画に 積載すること。一船倉又は一区画以上離して積載すること。船の長さ方向に一船倉又は一区画以上離して積載すること。

4.アルカリ貨物と酸性貨物は同じコンテナへの収納不可について

 項目3で等級(CLASS)同士の隔離について述べましたが、ここでは等級同士的には同一コンテナへの収納が可能であっても、化学的作用によって隔離が必要な危険物に分類されるものについて考えていきます。

漂白剤などに「混ぜるな危険」と書かれているものを見たことがあるかと思います。

これと同じ原理で酸性の貨物とアルカリ性の貨物を同一コンテナに収納することは禁じられています。

その代表例として・・・

CLASS8の腐食性物質は、酸性物質もしくはアルカリ性物質に分けられます。この判断は、商品SDS(安全データシート:Safety Data Sheet)のSection9にある㏗をご確認ください。

酸性(㏗ 1-6)中性(㏗ 7)アルカリ性(㏗ 8-15)

全てのCLASS・すべての危険物が酸性もしくはアルカリ性に分類されるとは限りません。

㏗が検知されていない危険物は、中性であると考えていただいて結構です。

同一コンテナへ収納したい危険物同士の化学的作用による隔離が必要かどうかの検討方法は、危規則に危険物リスト(別表第1)が掲載されており、UN番号に応じて隔離欄が設けられています。

*上の表はもともと一行です。スペース上2段にわけております。

隔離欄(赤枠)のところに「-」と記載されていれば、化学的作用による隔離は必要なしと考え、SG(segregation)やSGG(segregation group)で始まる数字が記載されていれば化学的作用による隔離を検討しなければなりません。 

各SGやSGGについては下記URLよりご確認いただけます。

(URL:00-1_本文_p.1-59_20231228 (mlit.go.jp) 373ページ 備考8を参照)

例:

これは、危規則第27条により、SG36と記載されている危険物は「アルカリ類と同一コンテナへ収納不可」であることが分かります。

要するに、酸性に該当する危険物ということを表しています。

まとめ

このように危険物を輸送するには「危険物船舶運送及び貯蔵規則」に従ってコンテナへ積載し輸出することが大前提となります。

同一コンテナへ収納可能な危険物を判断するためには下記の順で隔離の有無を確認しみてください。

  • 危険物の等級同士の組み合わせ
  • 化学的作用による隔離の有無

等級(CLASS)同士で積載が可能であっても、化学的作用により同一コンテナへの収納が不可の場合もございます。

もし、危険物を輸出されるご予定がありましたら、一度弊社にて積載の確認を致します。

今回の内容について表の見方など詳しく知りたい方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。

 

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