間違うと罰金!? 海上輸送での危険品の正しいラベル貼り方を解説
危険物を海上輸送で送る際に、ラベルを貼らないといけない。
なんとなく、それは知っているんだけど、
- ラベルの貼り方が分からない…。
- そもそも何をラベルに記載したらいいんだろう…
- ラベルって自社で準備できるものなのかな?
そんな疑問はありませんか?
実は、間違った貼り方をしてしまうと罰金などのペナルティもあるのです。
そこで今回の記事では、海上輸送をするときの正しいラベルの貼り方のあれこれについてお答えしていきます。
1.そもそも危険品とは?
一般的には、「火災や爆発などを起こしやすく、個人の健康、安全及び個人並びに公共の財(人や船)に損害を与えるおそれのある物。」とされています。
例えば、
- 火薬類:火薬、爆薬など
- 高圧ガス:常温・常圧で気体の物質等
- 可燃性物質類
などなどです。これらの危険品を海上輸送で扱う際には、決まった項目が書かれたラベルを用意し貼り付ける必要があります。
(他にもどんなものが危険品なのかを調べたい方は、国土交通省「船舶による危険物の運送基準等を定める告示(危告示)」を参考にしてみてください。)
2.危険品の海上輸送に必要な容器は、規則で決められている
危険品を海上輸送する際には、危険物船舶運送及び貯蔵規則に従う必要があります。
例えば、どんな容器を使わなければいけないか? は、危険物船舶運送及び貯蔵規則の第八条に、以下のように記載されています。
第八条 危険物(常用危険物を除く。以下同じ。)を運送する場合は、荷送人(他人に運送を委託しないで運送する場合にあつては、その者。以下同じ。)は、その容器、包装、標札又は標識(以下「標札等」という。)及び品名、国連番号、取扱い上の注意事項その他の当該危険物に係る情報の表示(以下「品名等の表示」という。)(危険物をコンテナに収納し、又は自動車等に積載して運送する場合にあつては、コンテナに収納し、又は自動車等に積載する危険物の容器、包装、標札等並びに品名等の表示をいう。以下同じ。)について告示で定める基準によらなければならない。
引用元:e-Gov「危険物船舶運送及び貯蔵規則」
容器についても詳しく知りたい方は、まずは危険物船舶運送及び貯蔵規則をご覧ください。
3.海上輸送上貼らなければいけない危険品ラベルとは
危険品を海上輸送する際には、以下の3つのラベルを貼る必要があります。
①標札(ラベル)
②国連番号(UN Number)
③正式品名(Proper Shipping Name)
では、この①~③について詳しく見ていきましょう。
①標札(ラベル)とは
危険品には、上の例のような「正標札」を貼付する必要があります。この標札には、危険物の危険性分類・項目が記載されています。
また、危険物に副次危険性がある場合には、「副標札」も貼付しなければいけません。
どのような危険物に、どの標札をつけないければいけないか? わからない場合は、ぜひ当社に一度お問合せください。
この標札についても、国土交通省が定める「危険物の運送基準等を定める告示」に詳しく記載されています。
危険物の運送基準等を定める告示 第7条の2(標札)
危険物を収納する小型容器、大型容器、IBC容器及び高圧容器には、
収納する危険物の等級を示す標札及び副次危険性等級を示す標札を外部から見やすい場所に付さなければならない。危険物の運送基準等を定める告示 第7条の3(品名等の表示)
危険物を収納する小型容器、大型容器、IBC容器及び高圧容器には、
収納する危険物の品名及び国連番号が外部から見やすい位置に表示しなければならない。この場合において、国連番号は「UN」の文字に続けて表示しなければならない。SDS(SAFETY DATA SHEET)の14.TRANSPORT INFORMATIONのTRANSPORT HAZARD CLASSを確認して適切なラベルを貼りつける。
引用:国土交通省「危険物の運送基準等を定める告示」
②国連番号(UN Number)とは
国連番号(こくれんばんごう、英語: United Nations Number 、略称:UN No.)とは、国連経済社会理事会に設置された危険物輸送専門家委員会の国際連合危険物輸送勧告の中で、輸送上の危険性や有害性がある化学物質に付与された番号です。
番号の付与方法は制定順の通し番号で、番号自体に特に意味はありません。 この番号が付いている化学物質は危険有害性があると判断することができます。危険物輸送専門家委員会の勧告では、危険有害性を大きく9クラスに分類され、さらにその中でもいくつかの分類に分けられます。これを国連分類と呼びます。
SDS(SAFETY DATA SHEET)の14.TRANSPORT INFORMATIONのUN NUMBERを確認して適切なラベルを貼りつけましょう。
③正式品名(Proper Shipping Name)とは
↑(画像A)
「正式品名」は「商品名」ではないので注意が必要です。
危規則等に記載されている品名を記載します。N.O.S.は「その他」を意味しますので例では「正式品名」の後に括弧書きで専門的名称又は正しい化学名等を記載しています。
SDS(SAFETY DATA SHEET)の14.TRANSPORT INFORMATIONのUN PROPER SHIPPING NAMEを確認して適切なラベルを貼りつけましょう。(画像A参照)
4.危険品ラベルの購入について
危険品ラベルは、自作はおすすめしません。
日本海事検定グローバルサポート株式会社から購入できます。
(画像引用:日本海事検定グローバルサポート株式会社)海上輸送に使用されるラベルには様々なルールがあります。もしも誤ったラベルを貼っていた場合、輸出する前に貨物がストップすることや現地到着後ペナルティが発生することがあります。当社でもお客様のラベル間違いによるトラブルが年に数回あり、罰金もしくは予定していた船積みはできないことがあります。
自社でラベルを貼る際は日本海事検定グローバルサポート株式会社からの購入をおすすめします。
まとめ
危険品の海上輸送には、国が細かく規則やルールを決めています。
使用できる容器はもちろん、その容器に貼るラベルの種類や内容をルール通りに作成し貼付する必要があります。
輸送する危険品の容器には3種類のラベルを必ず用意してください。
①標札(ラベル)
②国連番号(UN Number)
③正式品名(Proper Shipping Name)
これらのラベルは、自作をするとミスやトラブルにつながるので、日本海事検定グローバルサポート株式会社から購入することをオススメします。
危険物の海上輸送は、専門的な内容が関わるため、もしもどのようなラベルを用意したらいいかわからない場合、ぜひ当社へ一度お問合せください。