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24時間ルールがカット日に与える影響は?ドックレシート記載事項に関する注意点もご紹介!

 
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当社、丸一海運株式会社は、江戸時代1751年創業の港湾運送業から始まった由緒ある会社です。日本のみならず世界にむけた物流・海運のプロフェッショナルとして、お役に立てる情報を提供いたします!

貨物を輸出する際には、様々な「カット日」に留意する必要があります。カット日とは「締切日」を意味しており、積載予定本船の出港予定日から逆算して、必要書類の提出カット日や、貨物搬入のカット日などが設定されます。これらのカット日を守らなければ、貨物を本船に積載できません

また、輸出相手国が24時間ルールを設定しているかどうかによって、カット日がいつになるかが変わります。今回は「24時間ルール」がカット日に与える影響と、それに付随するドックレシートの記載事項に関する注意点をご紹介いたします。

主なカット日の種類

「カット」には大きく分けて、以下の4種類があります。

<CYカット>
CY(コンテナヤード)にコンテナを搬入する際の締め切り期限。積載予定本船の入港予定日の前日に設定されるのが一般的です。

<CFSカット>
CFS倉庫に貨物を搬入する際の締め切り期限。積載予定本船の入港予定日の前々日に設定されるのが一般的です。

<DOCカット>
BL(船荷証券)のもととなるドックレシート(DOC RECIEPT)を提出する際の締め切り期限。CYカット、CFSカットよりもさらに早いタイミングに設定されることが多いです。

<DGカット>
危険品明細書(別名:赤紙、デクラレーション、デクラ)を提出する際の締め切り期限。DGとはDANGEROUS GOODS (国際輸送における危険品)のことを指します。こちらも、CYカット、CFSカットよりも早いタイミングで設定されることが多いです。

DOCカットやDGカットは、なぜ貨物搬入のカットよりも早くに設定されるのでしょうか。この理由として考えられるのは、輸出相手国がいわゆる「24時間ルール」を導入している国や地域だからかもしれません。

24時間ルールとは・・・

出港地から船積みされる24時間前までに、輸出貨物のマニフェスト(積荷目録)を輸出相手国の税関へ提出しなければならないという制度です。マニフェストはBLをもとに船会社が作成し、現地の税関へ提出します。

この制度は、アメリカの同時多発テロ事件以降、テロ対策の一環としてアメリカでスタートしました。現在では、欧州や中国などでも同様のルールが設定されています。国や地域によって内容は少しずつ異なるため、現地側のルールを確認することが必要ですが、その目的はいずれも「テロ行為に使用される疑いのある貨物をあらかじめ把握し、対策を取ること」です。

DOCカットが早めに設定されている理由

船会社は提出されたドックレシートを整理してBLを作成し、かつ、正確なマニフェストを作成して、期限に間に合うように現地税関へ提出しなければなりません。そのため、ほとんどの船会社が独自に貨物搬入のカット日よりも早いタイミングでDOCカットやDGカットを設定しています。

船会社が滞りなくマニフェストを提出できるよう、24時間ルールにおいて必要なすべての情報を、船会社が設定するDOCカットまでに提出する必要があります。

DGカットが早めに設定されている理由

DOCカットと同様に、DGカットも早めに設定されることが多いですが、これは本船への積載許可取得のために、危険品明細書(デクラレーション)を現地へ送付する必要があるためです。
また、NVOCCの混載サービスを利用する場合は、当該NVOCCがブッキングを入れている船会社の設定するDGカットに間に合わせるため、NVOCCとしてのDGカットがさらに早めに設定されていることが多いです。

※NVOCC(Non Vessel Operating Common Carrier)とは
非船舶運航業者のことで、自らは船舶などの輸送手段を持たず、複数の荷主から貨物を預かり、船会社に輸送を依頼する業者のことです。荷主と船会社との仲介を行います。NVと略されることもあります。

24時間ルールの設定による追加の記載事項

24時間ルールが設定されている場合、現地からドックレシートの記載内容について指示があります。国や本船の航路によっても異なりますが、以下のような事項の記載を求められます。
※マニフェストのみに記載するため、船会社への通知のみを求められる場合もあります。

  1. 正しい貨物名称(具体的な品名)
  2. SHIPPER/CONSIGNEE/NOTIFYの住所や企業コード・連絡先・担当者名・E-MAIL ADDRESS
  3. 危険品明細(UN NO. / CLASS )(※海上輸送において危険品に該当する場合)
  4. HSコード(統計品目番号)

まとめ

いかがでしたか。今回は、貨物の輸出手配を行う際の注意点として、以下ような内容をご紹介しました。

  • 輸出する際はカット日を念頭において手配を進める。
  • 仕向け地が24時間ルールを適用している地域かどうか、また船社にブッキングした際に、貨物の搬入の締め切りのほかにDOCカットやDGカットの設定はあるかどうかを確認する必要がある。
  • 仕向け地によってドックレシートへ追加記載事項がある。

貨物の輸出入についてご不明点があれば、どうぞお気軽に当社までご相談ください。

 

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