輸出での見積り依頼をするときの注意点 海上輸送輸出編を解説
見積もり依頼をするときの注意点
今回は物流業者からの視点で輸出見積り依頼をするときの注意点 【海上輸送輸出編】を解説します。
日々営業担当としてたくさん新規のお客様・既存のお客様からお問い合わせとそれに関する見積もり依頼を頂きます。ありがたいことですが、中には輸出見積もりを作成するための情報が乏しいまま見積もり作成依頼を頂くことがあります。
よくある情報不足のケース
- 全体量が分からない
- 荷姿がわからない
- 頻度がわからない
数量も送り先もわからない場合はこちらから確認するさせていただきますが、お客様によっては数量が決まっていないこともよくあります。
私たち物流業者の目線から、ここだけは決めて頂けたらお見積もり作成がスムーズに素早く、正確にできるというポイントがありますので紹介します。
・全体量
M3ベースが望ましいですが決まっていない場合は『1~5M3程度』や『1~4パレット』などざっくりでも大丈夫です。大雑把でも数量を教えていただければ最適なご提案をしやすくなります。
例えば、LCL(混載より)よりもFCL(コンテナ単位)のほうが安くなる場合やFCLのご依頼でも本当はLCLのほうが安くなる場合など、だいたいの全体量がわかればお客様へ最適なご提案をすることができます。
・荷姿
バラ貨物(バッグ・カートン)かパレット貨物かでは作業時間が大きく変わります。
例えば、800バッグのバンニング作業と20パレットのバンニング作業では何倍もの労力が変わってきます。
現在バラ貨物のバンニングは減りつつありますが、仮にバラ貨物での見積もりの場合は必ずバラ貨物であることを見積もりの際に伝えることをお勧めします。実際の船積みで気づいた際に物流会社が対応ができないこともあります。
・頻度
輸出回数が多い場合は見積もりの際に伝えた方がお客様には有利に働くことがあります。
営業の立場から年に1回と年に12回ではお見積もりかける気合も変わりますし、料金にも影響することがあります。
ただ安くというお客様には、よい提案をすることが難しい
漠然とした見積もり提示を要求されて、料金の値引き交渉する場合は不確定要素があるので値引き交渉に応じづらいことが多いです。
もし妥協できるポイントがあれば伝えた方がいいです。
例えば
荷姿を変更可能 バラ貨物→パレット
納期調整は可能 ある程度前に輸出数量が確定、情報が渡せる
妥協できるポイントがあれば料金調整をしやすくなります。
不明瞭な依頼は高い見積もりにつながる
見積もりを作成するときに詳細情報がない場合はすべての条件を厳しめで想定して見積もりを作成するためどうしても高くなる傾向にあります。
- 荷姿不明で数量もわからない、多品目多品種で荷姿もバラバラかも
- 船積みまでの納入日程がタイト かなり無理なスケジュールを言ってくる場合
- 作業が不明瞭 倉庫に着荷してから細かい作業がたくさんある
物流業者からも細かいことを聞けばいいのですが、お客様もこれから輸出する予定のため分からないことがあり、答えていただけないケースがあります。そのためあえて聞かないまま、見積書を作成する物流業者もいますが、できるかぎり輸出する前にはわかる範囲の情報は伝えた方がいいです。
お見積もり依頼 よくない例
- インコタームズ CIF
- 積み地 大阪
- 向け地 SHANGHAI
- 商品 洗剤
- 荷姿 不明
- 数量 不明
- 重量 16000KG
お見積もり依頼 よい例
- インコタームズ CIF 20FEET
- 積み地 大阪
- 向け地 SHANGHAI
- 商品 洗剤 危険品該当 SDS添付
- 荷姿 パレット サイズ(1100mmX1100mmX1000mm)
- 数量 20パレット
- 重量 GROSS 16,000KG 1パレットあたり GW600KG
- 頻度 月1回
- 作業の有無 ラベル貼りあり
これだけ情報を頂くだけでもお見積もり作成にかかる時間と提出する料金や提案が大きく変わります。
まとめ
- 正確な見積もり情報はお客様にもメリットがある
- 詳細情報を伝えれば見積もりが正確に素早く受け取ることができる
- 実際の輸出する時にトラブルが減る
- 物流業者とも料金交渉しやすくなる