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カンタン解説!SDSの見方と危険品輸出時に特に注意すべきポイント!

 
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当社、丸一海運株式会社は、江戸時代1751年創業の港湾運送業から始まった由緒ある会社です。日本のみならず世界にむけた物流・海運のプロフェッショナルとして、お役に立てる情報を提供いたします!

今回は、化学製品を安全に取り扱う為にメーカーが作成する「SDS」の基本的な見方と、危険品輸出時にチェックすべきポイントを解説いたします。

SDSとは?

SDSとは、安全データシート(Safety Data Sheet)のことで、化学製品の有害性情報、取扱情報と各種法律(危規則(危険物船舶運送及び貯蔵規則)、毒物及び劇物取締法、消防法など)における規制情報など、危険物に関する重要な情報が記載されています。以前は、「MSDS (Material Safety Data Sheet : 化学物質等安全データシート)」と呼ばれていましたが、2012年以降、GHSで定義されている「SDS」と呼ばれるようになりました。

危険性や有害性の化学物質や化学物質を含む製品を他の事業者に提供する際に、その製品の危険性や有害性、保管方法などを通知するための書類です。

SDSに記載されている16項目

SDSは、以下の16項目から構成されています。

  1. 製品及び会社情報(Chemical product and Company Identification)
  2. 危険有害性の要約(Hazards Identification)
  3. 組成及び成分情報(Composition/Information on ingredients)
  4. 応急措置(First Aid Measures)
  5. 火災時の措置(Fire Fighting Measures)
  6. 漏出時の措置(Accidental Release Measures)
  7. 取扱い及び保管上の注意(Handling and Storage)
  8. 暴露防止及び保護措置(Exposure Controls, Personal Protection)
  9. 物理的及び化学的性質(Physical and Chemical Properties)
  10. 安定性及び反応性(Stability and Reactivity)
  11. 有害性情報(Toxicological Information)
  12. 環境影響情報(Ecological Information)
  13. 廃棄上の注意(Disposal Considerations)
  14. 輸送上の注意(Transport Information)
  15. 適用法令(Regulatory Information)
  16. その他の情報(Other Information)

国連番号・危険品クラスの確認

項目14 輸送上の注意(Transport Information)

輸送する製品のUN番号、危険品クラスを確認

構成成分の確認

項目3  組成及び成分情報(Composition/Information on ingredients)

・成分が100%表記されているかどうかを確認
成分が100%表記されていない場合、表記されていない成分が外国為替及び外国貿易法(輸出貿易管理令)で規制されている物質でないかの確認ができません。また、成分や用途によってHS CODEが変わる場合もあるため、荷主様には製品カタログや100%の成分表のご送付をお願いすることがあります。

保管時の注意事項の確認

項目7  取扱い及び保管上の注意(Handling And Storage)

「Keep away from 〇〇〇〇」や「Do not placed in the same place with 〇〇〇〇」
「〇〇〇〇から離して保管」や「〇〇〇〇と同じ場所での保管禁止」という記載を確認

海洋汚染の有無の確認

項目2 危険有害性の要約(Hazards Identification)

・水生環境有害性(Aquatic Environmental Hazard)が
 区分1か区分2(Category1 OR Category2)かを確認


・GHSラベルのイラストに魚のマーク(下記画像)があるか確認
(「Pictogram or Symbol: Environment」と文字のみで記載されている場合も同様となります。)

上記のいずれかに該当する場合は、「海洋汚染成分」を連絡いただく必要があります。

属性の確認

項目9  物理的及び化学的性質(Physical and Chemical Properties)

pHの欄を見て、酸性、中性、アルカリ性のいずれに該当するかを確認

項目10 安定性及び反応性(Stability and Reactivity)

項目9(物理的及び化学的性質)で「データなし」と記載されている場合や、phの記載がない場合は、項目10(安定性及び反応性)を確認します。

酸と激しく反応し、危険な反応を起こす=酸と隔離する必要がある:アルカリ性として隔離
逆も然りで、
塩基と激しく反応し、危険な反応を起こす=アルカリと隔離する必要がある:酸性として隔離

国内法規の該非確認

項目15 適用法令

日本の国内法である消防法・毒物及び劇物取締法・高圧ガス保安法等の該非については、英文SDSには記載がないため、和文SDSでご確認ください。分類により扱える倉庫が限定される場合があります。

まとめ

いかがでしたか。今回は、危険品を輸出する際に必要な「危険性に関する情報の確認方法」についてご紹介いたしました。ただし、これらはあくまでも「一般的な危険性」の確認方法の例とご認識ください。

世の中には様々な化学製品があり、危険性も様々です。ものによっては温度管理が必要であるなど、今回ご紹介した内容以外の注意事項が存在することも多々あります。こういった情報も基本的にはSDSに記載されていますので、SDSは注意深く確認する必要があります。

見積もりや危険物輸出時には、日本語SDSと英文SDS(中国向けは中文SDS)を必ずご用意の上、お問い合わせいただきますようお願い申し上げます。

(参考)職場のあんぜんサイト

 

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