【海上輸送】20フィートコンテナに200ℓドラムは何本積載できるのか!? バラ積みの場合とパレット梱包の場合
お客様からよくいただくお問い合わせの中に、「200ℓドラムはコンテナに最大で何本まで積載可能か?」というご質問があります。今回は、このお問い合わせを解決すべく、バラ積みの場合とパレット梱包した場合に、20フィートコンテナに200ℓドラムを何本積載できるのかをそれぞれご紹介いたします。
バラ積みの場合は何本積める?
20フィートドライコンテナの場合、クローズドドラム(天板固着式または密閉式ドラム缶)なら80本、オープンドラム(天板取り外し式または解放式ドラム缶)なら72本積載可能です。
道路交通法による最大積載重量の制限
日本国内での20フィートコンテナの最大積載重量は、道路交通法により2軸シャーシ使用の場合は20,320kg、3軸シャーシ使用の場合は24,000kgと定められています。
最大積載重量は、「貨物の重量」と「コンテナの自重(TARE WEIGHT)」とコンテナ内の貨物の固縛(ショアリングあるいはラッシング)に使用した「資材の重量」の合計で判断します。
ドラム1本あたり200kg NET(220kg GROSS)とすると、貨物重量は80本で17,600kg、72本で15,840 kgとなります。 20フィートコンテナの自重はコンテナごとに多少異なりますが、おおむね2,100kg~2,300kg程度ですので、一般的な200ℓドラムをバラ積載する場合は、80本でも72本でも2軸シャーシで運送可能と判断できます。
※最大積載重量については過去の記事で詳しく解説していますので、ぜひそちらもご覧ください。
関連記事:【海上輸送】20FEET・40FEETは最大何トンまで積載できるのかを解説
パレット梱包した場合は何本積める?
では次に、ドラムをパレット梱包すると、バラ積みの場合と同じ本数を積載できるのか?について解説します。
クローズドドラムの場合
クローズドドラムは直径約58cmですので、110cm×110cmのパレットに4本積載できます。 タテヨコ2本ずつ並べた貨物がパレットから少しはみ出します。
パレットサイズよりも4本載せた貨物のほうが少し大きいので、バラ積みと同様に80本(=20パレット)積載可能です。
重量面では、パレット1枚を20kgとすると、バラ積みと比較して20パレット分(約400kg)貨物重量が増加するため、コンテナの自重や貨物固縛のためのショアリング/ラッシング資材重量によっては、2軸シャーシで運送可能な最大積載重量20,320kgを少し超えてしまうかもしれません。
その場合も、3軸シャーシを使用すれば最大24,000kgまで積載可能なのでご安心ください。
オープンドラムの場合
次に、オープンドラムをパレット梱包する場合ですが、こちらはフタが開けられる構造上、天板の直径(張り出した部分)がクローズドドラムよりも大きく、約61cmあります。
1パレットに4本載せて梱包した場合、コンテナの内寸幅をオーバーしてしまうため左右に2パレット並べることができません。
かといって、バラ積みと同じ配置でパレットに載せようとするとはみ出しすぎて不安定なため、110cm×110cmのパレットを使用するのは適切とは言えません。
そこで、110cm×140cmの長方形のパレットを使用することで貨物がはみ出す問題を解決できます。
この梱包で20フィートに積載した場合、下記のようになります。
最大64本となりますので、72本積載可能なバラ積みと比較すると8本少なくなります。重量面では、パレット16枚分の重量が増加しますが、積載可能数量が8本分少なくなりますので、2軸シャーシで問題なく運送可能です。
まとめ
クローズドドラムであれば、バラ積みの場合もパレット梱包した場合も最大積載数量は同じですが、オープンドラムを梱包した場合は、バラ積みするよりも最大積載数量が少し減ってしまうという点にご留意ください。
なお、今回は20フィートコンテナに限定してご紹介いたしましたが、40フィートコンテナを使用する場合の積載可能数量についても注意が必要です。積載可能容積が20フィートコンテナの約2倍あるため、数量もちょうど2倍積めるとイメージしがちですが、実際には40フィートコンテナの最大積載重量をオーバーしてしまうため、2倍の数量は積載することができません。この点は十分にご留意ください。 (関連記事:【海上輸送】20feetと40feetのコンテナサイズの貨物の積載量の違いを徹底解説 )
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