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税関検査では何をする?検査内容、所要時間、費用等について解説!

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税関検査
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当社、丸一海運株式会社は、江戸時代1751年創業の港湾運送業から始まった由緒ある会社です。日本のみならず世界にむけた物流・海運のプロフェッショナルとして、お役に立てる情報を提供いたします!

「税関検査になりました。」

輸出入をされている方であれば、通関業者からこのような連絡が来ることは珍しくありません。貨物の輸出入に欠かせない通関手続きにおいては、書類上の審査だけではなく、税関職員が実際に現物を目で見てチェックすることがあります。これを一般的に「税関検査」と呼んでいます。今回は、税関検査がどのように決定し、どのような検査が行われるのかをご紹介したいと思います。

 

1)税関検査はどのようにして決定する?

現在、ほぼすべての輸出入申告は、NACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)というソフトを利用して行われており、申告を行うと瞬時に「申告区分」が出力されます。

申告区分には3種類あり、

  • 区分1は「即時許可
  • 区分2は「書類審査
  • 区分3は「書類審査+現物検査

となります。(「現物検査」=「税関検査」を指します。)実際に行われる税関検査の多くが、NACCSにより区分3が出されたことを受けて、書類審査の上で税関職員が決定したものです。税関検査が一度決定すると、拒否することはできません。下手に抵抗すると、余計に怪しまれる可能性があります。

区分変更の場合あり

NACCSから出力されたのが区分2(書類審査)であっても、税関職員が書類を審査した上で、税関検査に変更されることがあります。

書類内容になんらかの疑義があった場合や、申告者が輸出入実績のない会社である場合など、取り締まり上必要と判断されたものは税関検査に変更されます。それとは逆に、区分3→区分2(書類審査のみ)に変更されることもあります。

2)検査の種類は?

大きく分けて以下の2つがあります。

1 改品(かいひん)検査

改品(かいひん)検査、立ち会い検査、検査場検査、貨物確認などとも言います。)

税関職員が現物確認を行うことを、この業界内では改品検査(または開被検査など)と言います。貨物の荷姿によって具体的な検査内容は異なります。例えばカートン(段ボール箱)であれば、基本的に箱を開封して中身を確認します。鉄製のドラムや缶、紙製バッグなどは一度開封すると元に戻すのが困難であり、異物混入の恐れもあるため基本的に開封はされません。

こういった場合には外装のチェックと、場合によっては小型のX線検査装置にかけられます。フレコンバッグ(特大の繊維製バッグ)やファイバードラム(紙製のドラム)は容易に開封・修復でき、元々密封状態でも無いので、開封される可能性が高いです。改品検査には通常、申告を行った通関業者が立ち合いを行います。

検査のポイントとしては、

  • 「申告内容との相違が無いか?(品名などのチェック)」
  • 「原産地を誤認させる表示がないか?(原産地表示のチェック)」
  • 「申告していないもの(申告外物品)や、輸入禁止品などが入っていないか?

などです。

2 大型X線検査

(検査班検査、専担班(せんたんはん)検査、検査部門検査、レントゲン検査などとも言います。)

主要税関の近くには「大型X線検査場」があり、コンテナを丸ごとX線にかけることができる装置が置かれています。コンテナを引いている車両ごとこの装置に通し、X線検査を行います。通常はこれで許可となることが多いですが、おかしな影などが映った場合は、その場でコンテナから貨物を全量取り出して、改品検査を追加で行うこともあります。

検査のポイントとしては、「申告していないもの(申告外物品)や、輸入禁止品などが入っていないか?」などです。

その他の検査

税関分析

主に化学品などの輸入通関において行われる検査です。貨物の一部(通常300gほど)を採取され、税関の中央分析センターにおいて化学分析を行います。これにより、申告しているHSコード等に間違いがないかを調べます。結果が出るまでは二週間~一か月ほどかかるため、結果が出るまで輸入許可を保留にするか、先行して許可を受け、後日結果を受けて必要に応じて修正申告を行うかを選択できます。頻度はあまり高くなく、検査前に税関から見本の採取をしたい旨の連絡があります。

ふき取り検査

貨物の外装、もしくはカートンの内側などを専用の布で拭き取り、それを分析機器にかけることで、麻薬などが付着していないかを調べます。分析機器が常備されている税関であれば、数分~数十分ほどで結果が出ます。改品検査に付随して行われることが多いです。

3)検査を行う場所は?

主に以下の3つの場所で検査が行われます。

税関の検査場

税関の建物内にある検査場において検査を行います。税関から指定された貨物を、検査場まで持ち込んで検査を受けます。

大型X線検査場

主要税関の近くにある大型X線検査場まで貨物を持ち込み、検査を受けます。

現場検査

貨物が蔵置されている保税地域まで税関職員が来て、検査を行います。検査場まで貨物を運搬するのが困難な場合などに、現場検査を行うことがあります。

4)検査の費用はどのくらい?

税関検査になった場合、税関に対して支払う料金はありません

しかしながら、通関業者への検査立ち合い料貨物を開封したり修復した場合の作業料検査場まで貨物を持ち込む際の運搬料コンテナヤードや倉庫から搬出入する際のシフト料などが発生し、一般的にはこれらをまとめて通関業者から輸出入者へ請求されます

荷姿や個数、貨物の大きさや検査内容などによって料金は様々ですが、思わぬ出費になることもあるので、あらかじめ検査費用もある程度想定しておいた方が良いでしょう。

5)検査にかかる時間はどのくらい?

貨物の荷姿や個数にもよりますが、

一般的には

改品検査であれば10~20分程度

大型X線検査であれば10~15分程度

で終わります。しかしながら、検査においてなんらかの疑義が生じた場合などは数時間に及ぶ場合もあり、最悪の場合、その日のうちに許可が出ないこともあります。

まとめ

日頃立ち会う機会のない「税関検査」について、少しはイメージできましたでしょうか。

基本的にはどんな輸出入者でも税関検査になる可能性はあり、検査になるかどうかは申告前に予測できません。検査が決定してから焦らないためにも、あらかじめ検査を想定したスケジュールを組むことが大切です。

 

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