あなたの輸入予定貨物の関税・消費税額はいくら?簡潔に計算方法をご紹介!
輸入を検討している貨物について、関税・消費税がいくらかかるのかはとても重要ですよね。輸入に伴う税額がいくらかによって、その商売が成り立つのかどうかの分かれ目になる場合もあるかと思います。
でも、輸入をするときの関税とか消費税ってどうやって計算すればいいのかな??
とお困りではないでしょうか?
そこで今回は、そんな税額の計算方法をできるだけ簡潔にご紹介したいと思います。
関税率を知るためにはHSコードを知ろう!
税額を計算するためには、まず輸入貨物の関税率を知る必要があります。関税率を知るためには、HSコードを知る必要があります。(関税率はHSコードごとに定められているため)
下記のサイトにてHSコードごとの関税率を確認できます。
HSコードごとの関税率を知りたい方はこちら
⇒日本関税協会Webタリフ
Webタリフの画面の使い方
以下のような画面になります。そこで、あなたが輸入したい製品のキーワードを入力して「検索」ボタンを押してみてください。
↓
↓そうすると、「プラスチック」という言葉が含まれた製品のHSコード一覧が出てきます。
↓ さらにHSコードの青色の文字部分をクリックすると、詳細な一覧がでてきます。
どのHSコードに分類されるかさっぱり見当が付かない場合は、税関もしくは通関業者に問い合わせてください。
関税率の計算方法
さて、今回は以下の商品を例に、計算方法をご紹介します。
関税率の計算に使う商品例(プラスチック製の食器)
品名 | プラスチック製の食器 |
HSコード | 3924.10-0003 |
関税率 | 協定税率3.9% |
インボイス価格 | CIF USD2,500.00 |
関税率の計算方法
まずは、関税額を計算します。
■手順1.インボイス金額を日本円に直します。(レートは109.50円/USDと仮定します)
2,500×109.50=273,750(この数字を課税価格といいます)
■手順2.末尾3桁を切り捨てます。
273,750→273,000
■手順3.税率を掛けます。
273,000×0.039(3.9%)=10,647
■手順4.末尾2桁を切り捨てます。
10,647→10,600
この10,600円が関税額です。
消費税額の計算方法
続いて、消費税額を計算します。
■手順1.課税価格に関税額を足します
273,750+10,600=284,350
■手順2.末尾3桁を切り捨てます。
284,350→284,000
■手順3.0.078を掛けます。
284,000×0.078=22,152
■手順4.末尾2桁を切り捨てます。
22,152→22,100
この22,100円が消費税額です。
地方消費税額の計算方法
最後に、地方消費税額を計算します。
■手順1.消費税額×22÷78をします。
22,100×22÷78=6,233
■手順2.末尾2桁を切り捨てます。
6,233→6,200
この6,200円が地方消費税額です。
※通関上は、消費税と地方消費税を分けて計算しますが、この2つを合わせてだいたい10%になります。
注意点
ここで一つ注意点ですが、関税の計算の基礎となる課税価格は「CIF価格」と定められています。
CIF価格とは「COST(貨物価格) + INSURANCE(保険料) + FREIGHT(海上運賃)」です。つまり、日本の港に到着するまでにかかった費用は、原則すべて加算した後の金額で計算しなければなりません。
例えば、取引条件が※FOBであれば
インボイス価格(FOB価格)+ 海上運賃 + 海上保険(付保している場合に限る)=CIF価格
となり、このCIF価格に関税率をかけて計算する必要があるので注意してください。
補足)FOBとは?
※FOB(Free on Board)とは、本船渡しという取引条件のことです。
国際貿易取引条件(インコタームズ)の内、コンテナによる船積み貨物の引き渡しで使われることが多いです。
輸出港にて、買い手側(輸入する側)が指定する船に貨物を積むことで契約が完了となります。
運賃・保険料は輸入する側が負担。
まとめ
いかがででしたか?関税額の計算は難しいものと思われている方も多いかもしれませんが、慣れてしまえば計算の手順自体はそれほど難解なものではありません。上記の手順に輸入を検討されている貨物の価格を当てはめて、ぜひ一度関税額の計算にチャレンジしてみてください。