【貨物のダメージについて】よくあるリマーク事例をご紹介!
貿易に関わっている方は、「リマーク」という言葉を耳にしたことがあると思います。リマークとは、貨物になんらかのダメージがある状態を意味します。貨物が倉庫に搬入された際、倉庫は貨物の検品を行い、リマークの有無を必ず確認します。
検品を行う理由は、主に以下の2つです。
リマークの責任の所在を明らかにするため
例えば、輸入貨物を保税倉庫に搬入した際、搬入時点ですでにリマークがあった場合、当該リマークに対して倉庫の責任は無く、輸送途中、もしくは現地のメーカー出荷時からリマークがあったものかもしれません。少なくとも搬入時点で倉庫がリマークをしっかりと確認し、荷主へ報告することで、それ以前にリマーク発生の原因があったと示すことができます。
リマーク貨物をどのように処理すればよいかを荷主に確認するため
リマーク貨物の取り扱いについては、倉庫で判断せず、必ず荷主に確認をする必要があります。例えば、どの程度のリマークであれば許容できるのかは、荷主や納入先の考え方や用途などに大きく影響します。倉庫から荷主へ写真などを添えてリマークの詳細を報告し、どのように取り扱うか荷主の判断を仰ぐ必要があります。
よくあるリマーク
DENT(へこみ)
アイアンドラム、ポリドラムの貨物に多く見受けられるリマークです。特にポリドラムに関しては、プラスチックでできているため、内圧の変化などによって貨物が変形することは珍しくありません。
一般的に、へこみはDENTとSLIGHTLY DENT(S’DENT)の二種類に分けて管理されます。目に見えて分かる大きなへこみをDENT、一見しただけでは判別できないような軽微なへこみをS’DENTとしています。
COVER TORN(外装破れ・袋切れ)
紙製の梱包材(カートンなど)に多く見受けられるリマークで、外装破れ等を意味します。外装上に問題はありますが、中身に問題があることは滅多にありません。前述のDENTと合わせて、発生頻度が比較的高いリマークです。
WET(濡れ)
アイアンドラムに多く見受けられるリマークです。通気口の無いドライコンテナで搬送される場合、外気温の影響を受けやすく、内側が高温になります。そのため外気との温度差により結露が発生し、貨物に水滴が付くことでWETのリマークにつながります。
RUSTY(錆)
アイアンドラム、ペール缶など、鉄製容器に多く見受けられるリマークです。前述のWETが原因となり錆が発生することが多いです。
その他のリマーク
- BANDS OFF(バンドル切れ)
- BROKEN(破損)
- BURST(破裂)
- CRUSHED(押しつぶれ)
- DEFORM(変形)
- LEAKING(漏れ)
- MISSING(入り不足)
- SEAL OFF(封印切れ)
- NO MARK(マークなし)
- MARK MIXED OR OTHER MARK MIXED(マーク違いのもの混在)
まとめ
いかがでしょうか。今回は、よくあるリマークをいくつかご紹介いたしました。特に、海上輸送により外国から長距離輸送されてきた輸入貨物には、リマークが生じていることは珍しくありません。複数の輸送モードを利用している場合は、経由地での作業なども生じるため、さらにリマーク発生の可能性は高くなります。
重要なことは、そのリマークについて何が原因で、どの時点で発生したかを特定し、対策を講じることだと思います。また、リマークが発生してしまった貨物について、どの程度のものなのかを倉庫と荷主で情報を密に共有し、適切に貨物を取り扱うことが重要です。
貨物の輸出入についてご不明な点がございましたら、当社までお気軽にお問い合わせください。