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タンクコンテナで貨物を輸入する際の注意点を紹介! 

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当社、丸一海運株式会社は、江戸時代1751年創業の港湾運送業から始まった由緒ある会社です。日本のみならず世界にむけた物流・海運のプロフェッショナルとして、お役に立てる情報を提供いたします!

貨物を輸出入する際に利用される「コンテナ」には色々な種類があります。もっとも一般的なものは「ドライコンテナ」と呼ばれるものですが、今回は、液体やガスなどを輸送するときに活躍する「タンクコンテナ」についてご紹介いたします。

タンクコンテナの特徴

タンクコンテナは一度に大量の液体類、ガス類などを運ぶことができます。コンテナ自体に直接液体等を充填するため、パレットなどの廃棄資材が発生しないことに加え、ドラム等で運搬する場合と比べると積み替えなどの作業も発生しないため、労働コストが少なく済みます。

しかしながら、タンクコンテナに充填するものが「危険物」の場合は、許可権者(所管する行政官庁)への許可申請が必要になるなど、ドライコンテナと比べ注意点がいくつかあります。その中でも、誤りが起きやすいのは以下のような点です。 

タンクコンテナを利用する際の注意点

中身が危険物の場合は市区町村への申請が必要!

前段にて少し触れましたが、指定数量以上の危険物をタンクコンテナで輸送する場合は、タンクコンテナを設置する管轄の市区町村等に届け出を行い、設置許可の交付を受ける必要がなります。これは、工場などにある据え置きのタンクで危険物を貯蔵する場合と同様に、タンクコンテナは「移動タンク貯蔵所」とみなされるためです。この設置許可の証明となるものが「軽微変更届」、「完成検査済証」です。 

前荷規制はないか?

前荷の確認とは、「前回このタンクコンテナには何が充填されていたか」の確認を意味します。極端な例で言うと、例えば毒性のある液体化学品の輸送に使用したタンクコンテナを、内部を洗浄後、食品を輸送するためのタンクコンテナとして使用することはできませんよね。

このように、タンクコンテナ自体は様々な貨物の輸送のために、毎回洗浄を挟みながら反復利用されるものですが、共用する上で相性が悪い(臭いが移る、化学反応を起こす、有害な物質が混入するなどの恐れがある)ために利用を制限することを前荷規制と呼んでいます。貨物によっては、たとえ洗浄済みであっても前荷貨物を限定する場合があります。

前荷規制だけでなく、前々荷規制、前々々荷規制なども、貨物によっては存在します。内容物の安全性、品質を守る為、前荷規制の確認は必要不可欠と言えます。 

納入先のフランジの経口は?

タンクコンテナはローリー車とは違い、専用のホースなどは付帯されておりません。そのため、納入時にはタンクコンテナ自身の排出口と、納入先の受入口を繋ぐホースとジョイントが必要となります。タンクコンテナの排出口の¹フランジはISOの規格に基づいて製造されているため、ホースジョイントが合わないことは少ないですが、納入先の受入口のフランジは納入先ごとに異なります。輸入する前に、納入先のフランジの経口を確認することで、適切なジョイントを用意することができ、スムーズな納入が可能となります。 

¹部材の端部を他の部材などに接合するためのツバのこと 

納入前の加温が必要か?

凝固点の低い液体化学品を輸送する場合、輸入された時点では中身が凝固してしまっており、そのままでは抜き取れない場合があります。この場合、納入前にタンクコンテナを加温することで、中身を融解させてから納入する必要があります。タンクコンテナには蒸気加熱管が付いており、そこに高温の蒸気を送る事でタンクコンテナを加温し、コンテナ内の温度を上昇させて融解する事が可能です。

コンテナの返却先が異なることがある!

ドライコンテナの場合、貨物納入後の空コンテナはコンテナヤードへ返却するのが一般的ですが、タンクコンテナは内部の洗浄が必要なため、タンク会社の所有するタンクデポへ返却して洗浄する場合や、そのまま輸出して外地で洗浄する場合などがあります。このため、返却先はタンク会社との契約により異なります。

また、外地へ輸出するためにコンテナヤードへ返却する場合は、事前に本船BOOKINGの確認とコンテナヤードへの返却可能日の確認が必要です。特に危険物が入っていたタンクコンテナは、内容物の抜取後も残留物があることを前提とするため、危険物として扱われます。この場合、コンテナヤードへの搬入可能日(CYカット日)が限定されるので注意が必要です。 

まとめ 

タンクコンテナは一度に大量の液体類、ガス類を運ぶことができるメリットがある反面、通常のドライコンテナに比べると注意点が多くあります。これらの事項を事前に確認しておくことで、輸入から納入、返却までをスムーズに行うことができます。

初めて海外からタンクコンテナで貨物を輸入するという場合は、ぜひ当社までお気軽にお問い合わせください。細かい疑問などにもお答えし、サポートさせていただきます。 

 

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