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【海上輸送】リーファーコンテナに200ℓドラムは何本積載できるのか?

 
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当社、丸一海運株式会社は、江戸時代1751年創業の港湾運送業から始まった由緒ある会社です。日本のみならず世界にむけた物流・海運のプロフェッショナルとして、お役に立てる情報を提供いたします!

過去の記事で、ドライコンテナに積載可能な200ℓドラムの数量についてご紹介しました。今回は、リーファーコンテナに200ℓドラムが何本積載できるのか、クローズドドラム(天板が取り外しできない形状のもの)を例に解説いたします。

※リーファーコンテナとは、冷凍、冷蔵保管が必要な貨物の輸送に使用される特殊なコンテナのことです。

過去の記事はこちら→ 【海上輸送】20フィートコンテナに200ℓドラムは何本積載できるのか!? バラ積みの場合とパレット梱包の場合

200ℓドラムの種類

まず、一口に200ℓドラムと言っても、実は大きく分けて2つの種類(形状)があるのをご存じでしょうか。2種類のドラムを並べてみました。①と②の形状の違いが分かりますか?

①クローズドドラム

インターネットで “ドラム缶”と検索すると大量に出てくる画像やイラストの多くは①の形状でしょう。このタイプのドラムは天板を取り外すことができず、注入口(大栓)と換気口(小栓)が付いた形状をしており、“クローズドドラム”や“クローズ缶”と呼ばれています。

②オープンドラム

②のドラムは天板(←天蓋といいます)を取り外すことができ、上部が大きく開く形状をしています。こちらは“オープンドラム”と呼ばれています。

ドラム缶の寸法はJIS規格で定められていますので、胴体部分の直径や高さは同じですが、オープンドラムは天蓋を固定するための金属製のバンド(←クロージングリングといいます)が付いている分張り出してしまうので、天面の直径が少しだけクローズドドラムよりも大きくなってしまいます。

クローズドドラム→直径 約58cm
オープンドラム→直径 約61cm

そこで今回は、クローズドドラムをリーファーコンテナに積載する場合を例にご紹介します。

リーファーコンテナの特徴

リーファーコンテナの最大の特徴である“コンテナ内部の温度管理ができる”以外でドライコンテナとの違いを挙げると、内寸のサイズがけっこう違ってきます

特に内寸長さの差が顕著ですが、これはリーファーコンテナの前部に冷却ユニットを積んでいるためです。

リーファーコンテナの内部は下記の図のようになっています。

前部には冷却ユニットが搭載され、内部は冷気を循環させるため内壁で区切られているため、貨物を積載できるのが薄緑色で示した部分だけです。これがドライコンテナよりも内寸が小さくなってしまう理由です。

200ℓドラムを積載するときの並べ方

ドライコンテナの場合は、クローズドドラムが横に4本ピッタリ並んで、前後に10列分、2段積みで積載することで合計80本積載することができます。一方で、リーファーコンテナの内寸幅はドライコンテナよりも約7cm短いため、横一文字に並べられるのは3本までとなり、4本目は少し斜めにズレて積載することになります。

そして内寸長さは40cm以上も短いため、ドライコンテナには10列分積載できたのが、リーファーコンテナには1列分少ない9列しか積載することができません。

「横に4本×前後に9列=36本」ですが、最後の36本目を1~8列目と同様に少し斜め前にズラして積載すると、内寸長さ545cmを少しオーバーしてドアが閉まらなくなってしまいますので、1本減らして35本となります。

これを2段積みで積載すると合計70本。これが20フィートのリーファーコンテナに積載可能なドラム(クローズドドラム)の数量です。80本積載可能なドライコンテナより10本少なくなります

その他の留意点

ドラムの話からは少しそれてしまいますが、他にリーファーコンテナに貨物を積載する際にご留意いただきたい点を挙げると、“パレット梱包された貨物もドライコンテナより最大積載個数が減ってしまう”ということです。

一般的に流通している“110×110cmのパレット”と“110×140cmのパレット”、どちらの場合もリーファーコンテナに詰める場合は1列少なくなってしまいます。

110×110cmのパレットの場合

ドライコンテナには「左右に2P/L×前後に5列×2段積み」で最大20P/L積載可能ですが、リーファーコンテナには「左右に2P/L×前後に4列×2段積み」で最大16P/Lとなります。

110x140cmのパレットの場合

ドライコンテナには「左右に2P/L×前後に4列×2段積み」で最大16P/L積載可能ですが、リーファーコンテナには「左右に2P/L×前後に3列×2段積み」で最大12P/Lとなります。

まとめ

200ℓドラムの貨物を輸出される際には、利用するコンテナによって最大積載量が異なるため注意が必要です。コンテナの最大積載数量めいっぱい詰めたいとお考えの場合は、利用されるコンテナの種類をご確認の上で、数量や梱包をご検討ください。

貨物の輸出入に関することでご不明な点がございましたら、ぜひ当社までお気軽にお問い合わせください。

 

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