危険品輸送に必要不可欠!「危険物明細書」「危険物・有害物事前連絡表」とは?
危険品を輸送する際には、
- 危険物明細書
- 危険物・有害物事前連絡表
の提出が必要です。けれど、このような書類はとても専門的で、どのような事を書けばいいのか? なぜ必要なのか? が分かりにくいですよね。
そこで今回は、初めて危険品を海外へ輸出される方のために、詳しく解説してみました。
1.危険物明細書とは?なぜ必要?
危険物を船舶により運送する場合は、運送を依頼する荷送人が運送を引き受ける運送人(船舶所有者又は船長)に
- 危険物の種類
- 危険物の量
等を申告しなければなりません。
その申告に用いる書類が「危険物明細書」です。英名(DECLARATION:デクラレーション)の略称から「デクラ」や、使用される用紙の色から「赤紙」とも呼ばれます。
危険物明細書は、
- 運送人に、危険物の明細を、正確に通知する貨物資料を提供すること
- 荷送人がその危険物が関係規則に適合していることを船舶所有者又は船長に対し証明すること
が目的に作られています。
2.危険物明細書の記載内容、注意点
危険物明細書は、船舶所有者又は船長に対し、その危険物が関係法令に適合し運送に適した状態であること証明する為のものです。運送人が理解する言語により記載することとされていますが、通常は英語で記載します。記載内容は大まかに分けると以下の6項目です。
- 荷送人、荷受人、運送人等の事項
- 船名、船積予定日、船積港、陸揚港等の事項
- 防災処置や緊急時連絡先等の事項
- 危険物の明細、容器包装、個数、重量等の事項
- コンテナ番号、シール番号等の事項
- 関係法令に適合し、運送に適した状態であることを証明する宣言
特に「4.危険物の明細」はUN NO.から容器等級までその記載順序も決められています。
品名にN.O.S.が付く包括的なものであれば化学的、技術的名称も示さなければならないとされていますので正確な情報の把握が必要となります。
3.危険物・有害物事前連絡表とは?なぜ必要?
危険物・有害物事前連絡表とは、輸送する危険物や有害物の
- 種類
- 性状
- 数量
- 荷姿
- 取扱い上の注意事項
等を、記載するための書類です。
以前は、危険物又は有害物の荷による労働災害が続出しておりました。
そこで、現在は様々な法令などにもよって、労働災害防止対策を徹底するようになりました。
※1港湾荷役事業者は港湾荷役作業を開始する前に荷の中に危険物又は有害物があるかどうか調べます。危険物や有害物がある場合は、安全な取扱い方法及び飛散・漏洩した場合の処置を定めて労働者に周知徹底しています。
※1:港湾荷役事業者とは、船と陸との間で行われる貨物の積卸作業全般を扱う業者のこと。
このため、港湾労災防止協会の制定した港湾貨物運送事業労働災害防止規程の第292条において、
協会は、荷主、船主、元請事業者等に対し、荷役される荷が危険物又は有害物であるときは、その種類、性状、数量、荷姿、取扱い上の注意事項等を、協会が定める様式「危険物又は有害物事前連絡表」により、荷役作業を行う日の3日前までに通報するよう要請しなければならない
引用元:港湾貨物運送事業労働災害防止規程より
としています。
危険品明細書の赤紙に対して、こちらは「白紙」と呼ばれることもあります。
4.危険物・有害物事前連絡表の記載内容、注意点
危険物・有害物事前連絡表は港湾荷役作業者に貨物の危険性、取扱上の注意事項を周知する為のものですので、日本語で記載します。記載内容は大まかに分けると以下の6項目です。
- 取扱い関係者に関する事項
- 積載船舶等に関する事項
- 危険物に関する事項
- 荷の形状等
- 危険物の取扱いに関する事項
- 備考
こちらは労働災害を事前に防止し、万一の際にも被害を最小限に止められるように「5.危険物の取扱いに関する事項」に危険物の危険性・有毒性・引火性情報や取扱上の注意事項を的確に具体的に記載することが肝要です。
5.おわりに
いかがでしたでしょうか?「危険物明細書」も「危険物・有害物事前連絡表」も危険品輸送の手続きにおいて無くてはならないものですが、その記載には危険物に関しての関係法令の理解と専門知識が必要になります。
当社は永年培ってきた豊富な経験とノウハウで、特に規制が厳しい危険物の法令・規則を熟知したスタッフにより安全で確実な輸送手続きをご提供いたします。
もしも危険物の輸出をお考えの際は、お気軽にお問合せください。