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【輸入】急いでいるのに価格が未定…そんな時は輸入許可前引取承認(BP)制度が使えるかも!

 
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当社、丸一海運株式会社は、江戸時代1751年創業の港湾運送業から始まった由緒ある会社です。日本のみならず世界にむけた物流・海運のプロフェッショナルとして、お役に立てる情報を提供いたします!

海外から日本へ貨物を輸入する際には、輸入貨物にかかる関税・消費税を納付し、税関から輸入許可を受けた後でなければ、貨物を国内へ引き取ることはできません。これは輸入通関の大原則ですが、特別な事情があり一定の条件を満たす場合には、納税および輸入許可を後回しにして、貨物の引き取りを先行して行うことができる制度があります。これが、輸入許可前引取承認制度(通称:BP制度)です。

輸入許可前引取承認を受けた貨物は、いくつかの例外事項を除いて、内国貨物として取り扱われるため、国内で自由に販売することができます。

輸入許可前引取承認(BP)制度が利用できる基準

輸入許可前引取承認の適用基準は以下の通りです。

  • 貴重品や危険物、変質・損傷のおそれがあり特に引取りを急ぐもの
  • 展示会等へ出品するもので時間的制約があるとき
  • 特恵税率又は経済連携協定に基づく税率の適用のため必要とされる原産地証明書の提出が遅れるとき(ただし、いずれの場合も「原産地証明書の提出猶予」の承認を受けた場合に限ります。)
  • 陸揚げ後に数量を確定させる契約による貨物であり、輸入申告時に貨物の数量が確定していないとき
引用元:1113 輸入許可前貨物の引取り制度(カスタムスアンサー) : 税関 Japan Custom

ただし、単に納期が近いために貨物の引き取りを急ぐ場合や、消防法上の一般的な危険物であることなどを理由としたBPは、基本的には認められません。また、原産地証明書の入手が遅れる場合についても、やむを得ない理由がある場合に限られます。

通常の輸入申告(IC)で対応可能なものはそちらで通関することが原則であり、BPはよほど特別な事情がある場合のみ利用できる制度となりますので、BPが利用可能かどうかについては、通関業者を通して事前に税関へご相談されることを強くお勧めいたします。

BPを利用できる一般的な事例としては、貨物が港に到着した時点では課税価格が決定できず、日本国内で分析した結果でもって初めて課税価格が決定する場合、などがあります。

BP利用時の注意点

BPを利用する場合には、以下のような注意点があります。

担保が必要

BPを活用する場合、当該輸入貨物にかかる関税・消費税と同額(または10%増)の担保を、事前に税関に提供しなければなりません。この担保提供の手続きは、慣れていないと手間取ることもあるので、あらかじめ通関業者へ確認し、準備を進めておくことをお勧めいたします。

BP時点で他法令をクリアにしておく必要がある

BPの申請を行う際には、通常の輸入通関と同様、他法令による許可・承認等が必要な場合はそれらをクリアしていることを税関に証明しなければなりません。前述の通り、BP承認を受けた貨物は内国貨物と同等の扱いで日本国内へ流通させることが可能なため、通常の輸入通関と同じ水準の税関審査を受けるとご認識ください。場合によっては税関検査(税関職員による現物の確認)になることもあります。

納期限の延長を目的としたBPはできない

本来輸入申告時に納付すべき関税・消費税の納期限を遅らせることを目的としたBPは、本制度の本旨に反するため承認は受けられません。

BP承認後の手続き

BPを利用して国内へ引き取った貨物について、課税価格等が確定した場合には、速やかに輸入申告を行うことになります。この手続きを、通称IBPと呼びます。この時に初めて関税・消費税を納税し、晴れて貨物は内国貨物となります。また、税関へ提供していた担保も解除することができ、税関から担保物が返却されます。

まとめ

いかがでしたか。貿易においては、貨物の到着時に課税価格が決定していない場合など、通常の輸入申告で対応できない事例も考えられます。そういった場合にBPを活用することで、より円滑な輸入取引が可能になります。

ただし、前述の通りBPを利用するためには適用基準があり、すべての輸入取引において利用できるものではありません。BPをご検討の際は、事前に通関業者および税関に相談し、貨物が日本の港に到着するまでに準備を進めておくことをお勧めいたします。

貨物の輸出入に関してご不明な点がございましたら、当社までお気軽にお問い合わせください。

 

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